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         「霞外籠逗留記(かげろうとうりゅうき)のプチ考察」           

                                                             ブランド・railsoft

 

青年は気がつくと一艘の渡し舟にいた。
周囲は鏡のような水面と手で掬えそうな霧。そして、只ひとり同乗する、半分に割れた般若面を被る渡し守の女。
記憶の無い青年にあるのは「今までいたところではない、どこかへ行きたい」という渇望だけ。渡し守はそんな青年をある場所へ導く。
そこは巨大な木造建造物。増築に増築を重ね、半ば迷宮化したそれを渡し守は
「旅籠だよ」と言った。

―お前が飽きるまで、ここに逗留すればいいさ―

旅籠でふわふわと過ごすうちに出会う女達。
旅籠の管理人である「令嬢」
図書室に住み、若い男の肉を好むという「鬼女」
茫洋とした性格で、毎夜琵琶を奏でる「琵琶法師」
彼女達と交流を重ねるうちに、少しづつ「これから」を考えはじめる青年。だが、逗留の果てにあるのは、置き去りにしてきた「今まで」だった――

はい、そんなわけで柄にもなく、クソ真面目な出だしになってますが、作品自体が欠片も笑えないんだからしょうがない(いや別に、無理に笑う必要もないが)
エロゲ界の中でも異彩を放つ作品を世に送り続けるレイルソフトの記念すべき処女作、霞外籠逗留記の紹介です。
おおまかなあらすじは上記した通りですが、とにかくこの作品。一言で言えば、萌えん。いやもうキッパリと言い切れます。微塵も萌えん。
とにかく最初から最後まで独特の世界観に満ち溢れた今作に漂うのは、現を離れた幻想感と、じわじわと染み込むような快楽的退廃感。そして、それらを表現する圧倒的な文章力です。他の作家さんを例えに使うのはどちらに対しても失礼とは承知してますが、京極夏彦作品をイメージしてもらえればわかりやすいでしょうか(どっちも知らんという場合は、あー、超ムズい感じの小説?と思いねえ)
実際、この作品の魅力は、シナリオライターである希(まれに)氏の文才全てにあるといっても過言ではないでしょう。ゲーム自体、選択肢がいくつかあるだけのヴィジュアルノベルですから。そう、この霞外籠逗留記は活字を愛する者のためのゲームなのです。システム自体、一番力が入ってるのが文字表現ですから。縦書き、横書き、多種多様なフォント、文章が読みやすくなるような立ち絵移動と、とにかく「読ませる」ための工夫を十全に施しているので、活字好きにとっては好感の持てる作品になってます。
で、考察ですが。
ぶっちゃけ、できません。
あ、石を投げないでください。石を。
いや、だって、当サイトの趣旨はゲームやら漫画やらアニメやらを、ゆる〜く楽しむということを建前にしてますので、こんな文学全開、一見さんお断りどすえ的な作品は、どう扱っていいかわかりませんもの。無理無理、超無理。
んじゃ、なんで取り上げたんじゃいと言われたら返す言葉もございませんが、「面白かったから」とだけ言い訳させてください。
面白かったんです。その世界観、古風にして味のある文章、どれをとっても一級品でした。こんな作品があるという一点だけでもエロゲ界も捨てたもんじゃないというものです。つかこれ、エロゲにする必要あったんか?
はい、一応エロはあります(キャラデザインは乙女が黄昏のアムネジアな、めいびい先生で、やはり、その独特のタッチが作風に綺麗にマッチしており、素晴らしい仕上がりになってます)基本、メインキャラである渡し守、令嬢、鬼女、琵琶法師のシーンが、いくつかと、、サブキャラというかモブキャラであるお手伝いさんズのHシーンがちょこっと。そのエロシーンもけっして適当に突っ込んだものではないのですが、作風からしてアレですから、抜き目的にはそぐわないでしょうね(まあ、それが目的でこの作品を購入したひとは皆無でしょうが)
後は音楽も素晴らしい。どこか、和風テイストでありつつも、異国感を感じさせるBGMは、シナリオ没頭に一役も二役も買ってくれますし、Ritaさんが歌う主題歌「カスミカゲロウ」も最高。
なんか考察というより、ただの絶賛記事になってしまいましたが、それくらいお気に入りの一作ですので、活字好きで未プレイの方は、一度体験版に手を伸ばしてみてください。もし、それで気に入ったら是非、本編の「旅籠」へご逗留を。
爛れた開放感と不可解な閉塞感が織り成す霞外籠の世界が味わえますぞ。

DL販売中。

渡し守。どっぷん肉弾系にして物語の要(なんじゃ、この紹介)

旅籠の管理人の令嬢。見た目に反して意外と怖かったわあ。

鬼女。パワフル年上お姉様。こういうビジュアル、結構好き。

琵琶法師。足りないけど一番可愛いかった。健気なアホの子。

                           

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